精神科医が提供する産業医サービス(東京・大阪)

産業医グループ こころみ

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産業医の視点で見た産業医の上手な選び方

当社産業医サービスのことはさておき、客観的な視点から現在の産業医の状況について考察しています。参考にしていただき貴社に合った産業医をお探しください。

これから産業医サービスの実態についてお伝えすることで、貴社にあった産業医を失敗せずに選任するにはどうすればよいのか、検討の一助になればと思います。

産業医選任にあたって

産業医を選任するにあたり、何を基準に選べばよいのか悩まれているご担当者様も多いと思います。当社も数ある産業医サービス会社のひとつではありますが、あえて内部の産業医からの視点でみた産業医業界の実情をお伝えしていきたいと思います。

 

目次

1.産業医はどんな医師がなっているのか?

2.産業医の選任に関する法規の確認

3.産業医報酬の相場を知る

4.産業医に求める目的を決める

5.目的にあった産業医を選任する

6.どのような産業医サービスがあるのか

①医師会からの紹介

②紹介会社からの派遣

③健診機関と提携している会社

④コンサルティングに強みのある会社

⑤産業医としてのサービスも行うクリニック

⑥精神科専門産業医会社

7.本当に良い産業医とは?

8.まとめ

 

1.産業医はどんな医師がなっているのか?

産業医の資格である日本医師会認定産業医は、医師なら誰でも講習に参加すれば取得できる資格です。そのなかで産業医を専門として行っている医師は、実はあまり多くはおりません。

産業医の選任にあたって、前向きな理由で産業医を探されている企業様は少ないかもしれません。「法律で選任が義務付けられているから探している」という企業様が多いでしょう。

 

産業医として業務を行っている医師は、ほとんど必ず「日本医師会認定産業医」の資格を持っていると思います。この資格ですが、講習会に約50時間参加するだけで取得できます。試験があるわけでもなく、ただ参加するだけで取得ができるのです。300人が参加する大ホールなどで講義があるわけですが、中には居眠りをしている参加者も散見されます。

このような資格ですので、多くの医師がとりあえず産業医の資格を持っています。せっかく資格を取ったからと、診療の片手間や空いてる時間にアルバイト感覚で産業医を行っている方も多いのが実情です。このような方は、自分は産業医としては専門性が低いと自覚している点でまだ良いですが、産業医の業界には、ビジネスの匂いを嗅ぎつけた怪しげな会社も参入しています。自社のサービスを過大に宣伝しているところも多いです。企業様は実情がわかりませんので、騙されてしまいます。

 

2.産業医の選任に関する法規の確認

従業員の人数が50~999名では嘱託産業医、1000名以上では専属産業医を選任しなければなりません。

まずは産業医の選任にあたって、どのような決まりごとがあるのかを整理しておきましょう。産業医の選任は労働安全衛生法第13条によって規定されています。

50人以上の従業員がいる事業所では、非常勤の嘱託産業医を1名以上選任する義務があります。

1,000人以上の従業員がいる事業所・500人以上の従業員がいる有害業務のある事業所では、常勤の専属産業医を1名以上選任する義務があります。

3,000人以上の従業員がいる事業所では、常勤の専属産業医を2名以上選任する義務があります。

これらの条件を満たした場合、14日以内に産業医を選任しなくてはならず、すぐに労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

3.産業医報酬の相場を知る

産業医報酬の相場は月額6万円~

「産業医にはいくら支払えばよいのか?」ということが気になるかとおもいます。およそ従業員の人数によって、医師に支払う1回の訪問の報酬が決まってきます。下記は一例です。

従業員数 報酬 従業員数 報酬
50人未満 4万 501~600人 12万
50~100人 6万 601~700人 14万
101~200人 7万 701~800人 16万
201~300人 8万 801~900人 18万
301~400人 9万 901~999人 20万
401~500人 10万 1000人~

年収1000万~

これは直接契約した時の医師に支払う金額なので、その間に会社が入るといくらか上乗せされます。産業医の報酬はかなり高く感じられるかもしれませんが、これには理由があります。

 

1回の訪問はおよそ2時間ほどですが、産業医の業務は交通時間も含めると半日拘束することになり、仕事をする医師の報酬としては約4~5万円となります。ここに企業が仲介すると当然さらに高くなります。産業医と企業を仲介するサービス会社では、契約時に紹介手数料として10万円程度かかり、月々の報酬額にも〇万円が上乗せされます。

 

直接契約をすると確かに安いのですが、多くの産業医は訪問以外関与してくれません。緊急事態にメールや電話で常時対応してくれる産業医はごく一部です。

 

また最近では独自性を強調して広告することで高額な契約をする産業医会社もみられます。付加価値は確かにあるのかもしれませんが、中には過剰に大きく見せている会社もありますので、注意が必要です。

 

4.産業医に求める目的を決める

まずは自社の課題をもとに、産業医に求める目的をはっきりさせましょう。

上述のようにコストのかかる産業医ですから、求める目的を明確にして活用したいものです。

まずはどのようなことを期待するのか考えてみてください。

  • 法的に問題なければそれでよい
  • まわりと同じくらいのものであればよい

と考えた場合は、コスト優先になるかと思います。36協定内で残業がコントロールできており従業員満足度も高く、自社の安全衛生管理上の問題が少ないのでしたらそれでよいと思います。

しかし不安な要素がある場合は、しっかりと目的をもって産業医を探されたほうが良いです。場合によっては、不十分なところだけ顧問契約などで補うのも方法でしょう。そのためにも、自社の課題を分析する必要があります。そのうえで、

  • 従業員の健康面の悪化をなんとかしたい
  • 残業が多くなっていて、なんとか削減したい
  • メンタル不調者の対応を整えたい
  • 企業のリスクを回避したい

などと目的をはっきりさせ、そのうえで産業医を探しましょう。

産業医に重要なのはコミュニケーション能力や調整能力ですので、選任前に必ず産業医と面談をすることも大切です。

 

5.目的にあった産業医を選任する

健康管理・過重労働管理・メンタルヘルスのどこに力点をおくかを考えましょう。

嘱託産業医が企業に貢献できるポイントは、大きく3つあります。

 

1.健康管理

2.過重労働管理

3.メンタルヘルス

 

1.健康管理に関しては、健康診断のフォローアップが中心となります。

従業員向けにわかりやすく関心が持てるように話ができる先生がよいです。健康管理に関しては、内科医が向いているでしょう。企業で健康面というと生活習慣病が中心となってきます。糖尿病内科や代謝内分泌科などの医師が専門知識は豊富ですが、平成16年以後卒業の医師は臨床研修制度により一通りのことは経験しています。生活習慣病は行動変容が重要なので心理的なアプローチが得意な医師にも強みはあります。

 

2.過重労働管理は産業医には難しい問題です。多くの医師は会社組織で働いたこともありませんので、有効な組織改善の提言をできる産業医は少ないと思います。具体的な提言をしたとしても、それは非現実的だったり、偏りがあることが多いと思います。過重労働管理については産業医に過度な期待はできないといえるでしょう。一方で過重労働者に関しては、面談をしっかりと行ってくれる産業医を選ぶことが大切です。過重労働面談は普通の面談とはことなって、忙しい中で面談を「させられている」従業員と面談をしていきます。相手の気持ちを汲み取りながらも、心身の健康障害のリスクが高い従業員と関係性を築ける医師かどうかが大切です。

 

3.メンタルヘルス管理については、産業医の良し悪しがはっきりと出てきます。コミュニケーションをうまくとって、その場で問題を解決してくれる産業医もいます。一方で、従業員と喧嘩になってしまうような産業医もいます。もちろん、精神疾患に対する知識と経験も大切です。本当の精神疾患の患者さんの時に、対応を間違えると大変なことになってしまいます。

 

このように見ていただくと、産業医で一番大切なのはコミュニケーション能力だということがお分かりいただけるかと思います。極端な話ですが、専門知識が豊富で頭でっかちな産業医より、知識は少なくとも人当たりのよい産業医のほうが無難です。

 

コスト抑制を主な目的とされるのならば、実際に面談してみて人当たりがよくてバランスが取れている産業医を選任されるのが良いと思います。

健康管理を主な目的とされるならば、どのように生活習慣を変えさせていくのか、産業医へ尋ねてみるのもよいかもしれません。

 

過重労働管理を主な目的とされるならば、どの程度厳しく管理を考えていくのかを確認したほうが良いでしょう。産業医によっては、厳格に残業時間で管理してしまい、現場のマネジメントを無視してしまうこともあります。

 

メンタルヘルス管理を主な目的とされるならば、精神科での臨床経験が十分でないと難しい場面もあると思います。精神科での経験がどの程度あるのか、しっかり確認されるほうが良いでしょう。とはいえ精神科医だからよいということではありません。企業側の実情もわかっていて、バランス感覚がなければいけません。労務管理と健康管理をしっかり分けられないと、問題がこじれてしまうことが多々あります。結局のところ、実際に会ってみなければわかりません。

 

6.どのような産業医サービスがあるのか

産業医はどのように探せばよいのでしょうか。従来は直接の人脈の中からの紹介でした。現在はインターネットで広く検索できる時代です。

どのようなルートがあるかをまとめると、以下のようになります。

  • 医師会に相談
  • 近隣の病院に直接依頼
  • 健康診断実施機関に依頼
  • 健保組合からの紹介
  • 付き合いのある会社の紹介
  • インターネットで検索

 

次に、どのような産業医サービスがあるでしょうか。タイプに分けてご紹介していきます。

①医師会からの紹介

医師会が産業医を紹介してくれます。基本的には地域のクリニックや診療所の先生になります。

一番の魅力は安いということでしょう。上記表で紹介させていただいた金額をベースに、交渉で金額は前後します。

 

②紹介会社からの派遣

いろいろな紹介会社がありますが、有名なところやインターネット広告に力を入れている会社は検索で上位に来るために様々な産業医がとりあえず登録しています。産業医に支払う報酬は大きくはかわらず、だいたい2時間で4~5万円ほどになります。このため、そこに会社の利益をのせる形になります。サポートの体制は様々で、産業医が業務に慣れるまでは社員がサポートしてくれるところもあれば、完全に産業医に業務委託契約で丸投げする会社もあります。

 

③健診機関と提携している会社

健康診断をとるために産業医サービスを入口にしていることが多い印象があります。規模の大きな会社では健診件数も多いので好意的ですが、規模の小さな会社は冷遇されるということもあるようです。健診契約とまとめればディスカウントも期待はできます。しかしながら多くの場合、健診契約が切れた際には産業医サービスも切られることになります。産業医は実態の活動が乏しいところも少なくありません。

 

④コンサルティングに強みのある会社

最近増えてきているのが、経営面にアプローチした産業医の株式会社です。企業側からすると、経営面に理解があることは好ましいこと。デメリットとしては、経営コンサルの資格などを持ってはいるが会社組織で働いたことがないため、実際の現場がわからないということ、産業医の意見が会社側にやや寄り過ぎるところです。心身の不調に陥ってしまった従業員を切り捨てていくという方向に進んでしまうことがあります。短期的には企業にとって都合がよいかも知れませんが、レピテーションリスクや人材投資や育成、帰属意識や従業員満足度といった部分に、じわじわとネガティブなイメージが生じる点には注意が必要です。

 

⑤産業医としてのサービスも行うクリニック

クリニックの中には、産業医サービスを行っているところもあります。ホームページをみてみると、産業医契約や精神科顧問契約などが書いてあります。このようなクリニックとの契約は、良い医師にあたればいいと思います。しかしながらクリニックの医師は、基本的には毎日患者さんを診察していますので、産業医としての活動経験としては多くないこともあります。このことで危惧されることは、過度に従業員側になりすぎてしまうことです。現実的なバランスを考えずに、マネジメントに踏み込んだ意見を出してしまうことがあります。産業医として意見を出されてしまうと、企業としては安全配慮義務があるので無視できません。

 

⑥精神科専門産業医会社

精神科専門の産業医会社はとても少ないです。あったとしても、個人事業主のレベルのことが多いです。というのも、精神科医でメンタルヘルスに興味がある医師を集めるのは大変だからです。また医師としては有能でも企業という文化の中で普通にコミュニケーションがとれる医師は多くはありません。精神科医は面談の能力は高く、休職復職面談や高ストレス者面談では力を発揮するでしょう。ただし精神科医であっても、企業の実情を理解できるバランス感覚がないといけません。料金は稀少性と、メンタルヘルス問題の需要が多い時代を反映し、一般的な価格よりも高額となる場合があります。

 

7.本当に良い産業医とは?

知識もさることながら、産業医にはコミュニケーション能力と調整能力が必要です。さらに企業に対し当事者意識をもってくれる産業医が一番良いと思います。

 

嘱託産業医の仕事の中心となるのは、従業員との面談です。ですから、従業員に満足感を与えられることが重要です。このためには、「従業員と患者は違う」ということを理解していないといけません。当たり前かもしれませんが、常に患者と接している医師にはこれがなかなかできません。患者さんは医療を求めてきます。従業員はイヤイヤ面談に来ることもあります。このように、ニーズがないところにニーズを作る必要があるケースもあります。

ですが、従業員が満足すればそれでよいかというと、そうではありません。産業医の意見には重みがあります。あまりに従業員に偏りすぎても、現実性がなくなってしまいます。ですから、うまく間をとって従業員と企業にとって一番よい方法を模索してくれる産業医が理想です。

このため産業医に求められる資質としては、コミュニケーション能力があって、空気が読めることです。そして、当事者意識をもって、企業と従業員にとって一番よい現実的な道を考えてくれる産業医が、良い産業医であると思います。

最近の産業医活動の中では、メンタルヘルスに関する問題が非常に多いです。そしてメンタルヘルスに関しては、精神科での経験を積まれている産業医が良いと思います。メンタルの扱いは独特で、その判断は他の科の先生には難しいです。このため、精神科としての診察や診断の基礎があり、その上で企業活動に関しても理解があることが理想的と思います。

 

医者は健康管理しかしてきていないので、労務管理に関しての理解がありません。両者を混同してしまって、問題が複雑化するケースが少なくありません。ですから会社側の話を聞いて、バランスよく判断してくれる産業医が良いかと思います。

これは日々、私達「産業医グループこころみ」が心がけていることでもあります。

 

8.まとめ

私たちの作ろうとしているサービスの位置づけを振り返ることも兼ねて、産業医についてまとめていきました。産業医の実情をお伝えすることで、それぞれの企業のニーズに一番あった産業医サービスを見つける一助になればと思います。

忙しく働いている人ほど、自分の心身の健康はないがしろにしています。そんな日本を支える方たちを、少しでも守れるような組織に私たちはなりたいと考えています。

企業で働く人たちの心身の健康に、直接アプローチできるのは産業医だけです。この記事をお読みの方には、ぜひ納得して産業医を選んでいただきたく思います。

私たちの産業医サービスは、この記事での精神科専門産業医会社に近いと思います。精神科医といっても、産業医としての向き不向きがあります。私たちは、産業医としての適正のある医師をしっかりと見極めたうえで仲間を集めています。そして組織体制で産業医業務を行っていきます。

私たちも組織対応を行っていく以上、直接契約の産業医には金額面では勝てません。より多くの、良質な産業医に集まってもらうためには料金を安くするわけにはいけませんが、同タイプ他社の中では最もリーズナブルになっているかと思います。

 

ご興味くださった方は、ホームページをご覧いただき、問い合わせフォームにご入力ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。